食事について

腸活で免疫力アップ

「腸内環境を整えるって大事」とか「腸活」とか最近よく耳にしますね。腸内細菌についての研究もこの数十年で進んでおります。最近の研究においては私たちの健康は腸内細菌による影響がとても大きいと言われています。腸内細菌は、からだに良い影響をもたらす「善玉菌」悪い影響をもたらす「悪玉菌」どちらにも属さない日和見(ひよりみ)菌」の3つに大きく分類され健康な人はその割合が、およそ2:1:7とされています。しかし肥満や糖尿病、高血圧、大腸がん、動脈硬化といった疾患を持つ人の腸内では、このバランスが崩れていることが知られています。

■腸内の免疫細胞

免疫細胞は約7割が腸内に生息しています。「腸は免疫器官」と言われるゆえんです。なぜこんなにたくさんの免疫細胞が集まっているのでしょうか。消化管は口から食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肛門へと1つの管で繋がっています。この管はカラダの内側のようですが、管の空洞の出口と入り口が外界と接しているためカラダの外側といえます。腸は食べ物だけでなく、口から侵入してくる毒素、病原菌、ウイルス、重金属などを取り込まずに(吸収せず)体外へ排出しなくてはなりません。これらのカラダにとって有害な物質を吸収するのかそれとも体外に排出するのかを選別しないといけませんよね。この選別の時に大活躍してくれるのが腸内細菌なのです。選別作業は腸内細菌と免疫細胞が協力し合って選別をするのです。免疫細胞は外部から侵入してきた様々な異物(病原菌やウイルス)と戦ってくれますが、そうなると腸内で炎症が起こります。そこで腸内細菌が炎症を抑えるリンパ球などで炎症を抑えるように働きかけます。腸内細菌が大腸で食物繊維を処理して出来る「短鎖脂肪酸」が炎症を抑えてくれたり腸の防御システムを強化修復する働きをします。良い腸内環境にしておくことでしっかりと免疫力が強化され健康な毎日を過ごすことが出来ます。

 

■腸内細菌は脳ともつながっている

腸内細菌は精神の安定にも関連しています。「腸と脳が相関関係」「脳腸相関」という言葉を聞いたことありますか? 腸内環境が悪化すればストレスでおなかが痛くなったり、下痢をしたりという事が起こりますね。腸内細菌は幸せホルモンといも言われるセロトニンや、ドーパミン等の生成にもかかわっていて、感情のコントロールはもちろん、不足することでうつ病を発症する原因にもなります。腸内環境を整えることは、免疫力の向上に伴い幸せを感じることにもつながります。

 

■腸内細菌の多様性

腸内環境を整えるには具体的にはどうしたらよいのでしょう。「腸内細菌の多様性により理想的な腸内環境になる」健康的な腸内環境には多種類の腸内細菌が存在しています。多様な食材を摂取することが重要なカギとなります。体に良い食材を摂取するのはとても大切なことですが、だからといって毎日毎日同じ食材ばかりの食事ですと、その食材を好みとする腸内細菌ばかりが増えてしまいます。当然同じような食材ばかりですと得られる栄養素も偏ってしまいます。腸内細菌の多様性を維持するためには多様な食材を摂取しましょう。海外で1万人以上を対象とした研究データによりますと、1週間に30品目以上の野菜や果物を食べる人は、悪玉菌が少なく腸内細菌の多様性がとても高いという研究結果が出たという事です。善玉菌が好物の食物繊維やオリゴ糖を多く含む食材である、にんにく、タマネギ、アスパラガス、豆類、ブロッコリーなどがおすすめです。ポリフェノールやカロテノイドを含む食材も善玉菌が好む食材で、伝統的な日本の発酵食品、味噌、しょうゆ、麹、納豆なども日本人の腸内環境を整えるにはおススメの食材です。目安として1週間に30品目以上の食品を摂取するようにしましょう。

 

■腸内環境に良い影響を与えてくれる食べ物

乳酸菌やビフィズス菌、納豆菌など生きて腸に届くものを食べましょう。ぬか漬け、キムチ、浅漬け、酢漬け、ヨーグルト、味噌、甘酒など。発酵食品は乳酸菌、麹菌、納豆菌、酵母菌、酢酸菌、などの善玉菌が腸内で短鎖脂肪酸をつくりだし悪玉菌をおさえ善玉菌を助けます。善玉菌は腸に定着せず排泄されるので毎日摂ることが大切です。【発酵食品】納豆、みそ、しょうゆ、酢、ヨーグルト、ぬか漬け、粕漬、塩麹、チーズ、ピクルスなど

 

■腸内環境を整えるための行動

「多種多様な食材を食べていれば腸内環境は整うから大丈夫」と、じつはそう単純ではありません。生活習慣が乱れていれば、当然「腸内環境」もその影響を受けますので、生活習慣が乱れている人は生活習慣を改善することでも腸内環境は良くなっていきます。睡眠の乱れと腸内環境は明確な関連性があるとの研究結果もあります。腸内細菌の多様性が高い人ほど睡眠の質も良く、腸内細菌の多様性が低い人ほど、睡眠中の中途覚醒までの時間が短く、長く眠れないという結果になったということです。つまり慢性的な睡眠不足は腸内環境の悪化を促進する可能性があるという事です。睡眠の質が良くないと自覚している方は、もしかすると腸内環境の多様性が低くなっているのかもしれません。「腸内環境の多様性の高い腸活」の改善が睡眠の改善にもつながるかもしれませんので是非食生活を見直してみましょう。

 

■工夫次第で腸活できる

味噌汁を具沢山にしてみましょう。代表的な発酵食品である味噌に善玉菌を増やす水溶性食物繊維が多く含まれる食材をたくさん入れて具沢山味噌汁がおすすめです。わかめ、なめこ、ゴボウ、かぼちゃ、大根、白菜、ほうれん草などをいくつか組み合わせて毎日の食事に摂り入れましょう。

 

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