丹羽SODの原料にも使用されている「米ぬか」といえば、私たちが普段食べている白米を玄米から精米するときに出る不要なカスと思っている人も多くいると思います。
しかし実は、玄米を精米するときに出る米ぬかには、米の栄養の9割が入っているといわれており、いわば栄養の宝庫なのです。
今回はそんな米ぬかについて詳しくみてみましょう。
米ぬかに含まれる栄養
米ぬかは、ご存じの方も多い通り、玄米をみがき精米する過程で出た玄米の粉のことです。
普段食べる白米をスーパーで購入している人は見かける機会も少ないと思いますが、玄米を精米器にかけると、白米と米ぬかに分解することができます。
米ぬかの部分にはビタミンやミネラルをはじめとする栄養が、白米の部分の数倍から数十倍も多く含まれています。
白米にすることで食感や味はよくなりますが、先述した通り米の栄養の9割を捨ててしまっているとは、なんとももったいないものです。
それでは、米ぬかに、どんな成分が含まれているのか、詳しく見ていくことにしましょう。
米ぬかに含まれる健康成分
1:イノシトール
米ぬかには、イノシトールという成分が豊富に含まれています。
イノシトールは、あまり聞きなれない名の栄養素かもしれませんが、人の体によい影響を与える働きがたくさんあるすばらしい栄養素です。
イノシトールの代表的な働きは、神経の細胞膜に含まれるリン脂質の構成成分として、神経の伝達や脳の働きを正常に保つために働いています。脳の健康維持のために無くてはならない存在として日々体内で活躍しています。
発毛や育毛などの情報伝達も担っているため、イノシトールをしっかりと摂ることで髪の健康を維持する効果があるとも考えられています。
ほかにも、イノシトールは脂肪の代謝を促進し、肝臓に余分な脂肪がたまらないようにコントロールする働きも担っています。
2:フェルラ酸
米ぬかにはフェルラ酸という、これまた聞きなれない名の栄養素も豊富に含まれています。
フェルラ酸とはポリフェノールの一種です。ポリフェノールと言えば、カカオやワイン、ブルーベリーを思い浮かべる方も多いかと思いますが、実は米ぬかにも豊富なポリフェノールが含まれているのです。
ポリフェノール中でもフェルラ酸は、酸化防止剤として食品にも使われているほど、強い酸化防止機能が期待できるのです。
3:食物繊維
お腹をスッキリさせてくれる栄養素として有名な食物繊維ですが、米ぬかには、食物繊維も豊富に含まれています。
食物繊維は日本人に不足しがちな栄養素です。
食物繊維をしっかりと摂ることにより、便の量を調整してくれますのでしっかりと摂ってもらいたい栄養素です。
そのほかにも食物繊維は、腸内細菌のえさにもなります。食事などから摂った栄養を最大限有効活用することができますので、食物繊維はしっかりと摂りたいものです。
4:ビタミン
米ぬかには、ビタミンも白米の数倍から数十倍多く含まれています。
それぞれのビタミンの体内での働きを見てみましょう。
ビタミンB1…糖質の代謝の促進
ビタミンB2…糖質、脂質、たんぱく質の代謝の促進
ナイアシン…エネルギー代謝の補酵素として働く
ビタミンE…抗酸化作用を持つ、脂質の酸化を防止する
ビタミンはエネルギー代謝に欠かすことができません。エネルギーの摂りすぎが気になる人こそしっかり摂りたいものです。
5:ミネラル
米ぬかには、ミネラルも白米の数倍から数十倍多く含まれています。
それぞれのミネラルの体内での働きを見てみましょう。
鉄分…女性にとってとても大切
リン…骨や歯の成分となる
カルシウム…骨や歯の成分となる
カリウム…血圧を調整する
マグネシウム…骨の成分となる、神経の興奮を抑える、血圧を維持する
ミネラルは身体の調子を整えたり、構成成分となっておりしっかり摂るようにしたいものです。
米ぬかの摂取方法
栄養満点で、健康によい影響を与える米ぬかですが、食感がいまいちでそぎ落とされることが多い米ぬかをそのまま食べるのは、なかなか難しく酷なものです。
料理に入れるなら、お菓子類を作るときに小麦粉に少量を混ぜて使ったり、ハンバーグやコロッケに少量を混ぜて使ったりといった方法がよいでしょうか。
まとめ
米の栄養を凝集させたような米ぬかの栄養や成分について、詳しく解説してきましたがいかがでしたでしょうか。
米ぬかには、数多くの有効成分が含まれていることがおわかりいただけましたら幸いです。
管理栄養士
管理栄養士として、病院・保育園で長年勤務している。保育園では献立作成・発注・大量調理・食育を担当。現在は病院にて、栄養指導・栄養管理・献立作成などを担当している。 プライベートでは、5歳と2歳の兄妹の母として家族の健康を守るべく日々奮闘しております。