更年期とは
女性は卵巣から女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)を分泌しています。その分泌量は20~30代がピークといわれており、年齢を重ねるにつれて減少します。女性ホルモンの分泌量が減少すると、最終的には月経が停止します。月経が完全に停止することは閉経と呼ばれます。この閉経が起こる5年前から閉経後5年後の計10年間を「更年期」と呼びます。
この更年期に起きてしまうさまざまな身体的・精神的トラブルのことを更年期障害と呼んでいます。更年期障害の程度は個人差があり、全く起こらない人もいれば、日常生活に支障をきたすほどひどい状態になる方も多いのです。
更年期障害を引き起こす原因とは
更年期障害の1番の原因は女性ホルモン(エストロゲン)の分泌の低下によるところが多いといわれています。卵巣の老化にともない女性ホルモンの分泌量が減少することで、それまでのホルモンバランスが大きく崩れてしまいます。それにすぐ対応することができずに体に不調が生じるといわれています。
加えてこの時期には加齢にともなうその他の身体的変化や子育てが終了したり、パートナーの定年、親世代の加齢による病気や死などさまざまな身の回りの変化が起きやすい時期でもあります。そのため、知らず知らずのうちに心理的ストレスもかかりやすいのです。これらの複数の要因が複雑に絡まり合うことで、更年期障害が引き起こされるともいわれています。
具体的にはどんな症状があるの?
更年期障害によって引き起こるとされる症状は多岐にわたっています。月経周期が短くなったり、バラバラになったりする月経異常やのぼせ、ほてり、発汗、動悸、冷え、めまい、イライラ、不安感、不眠、うつなどその症状は個々によって異なります。
どうして個人差が多いのか?
更年期障害は苦しむ方がいる、一方、症状すら感じることがないもしくは、症状が軽くほとんど苦しむことなく過ごすことができる人も一定数います。
年を重ねるにつれて、卵巣だけに限らず、私たちの体は老化します。老化のスピードは個々の日々の生活習慣によっても左右されます。
更年期障害がひどくなってしまう方は、卵巣の老化によるエストロゲンの分泌低下により生じる体の変化についていけないともいわれています。老化をなくすということは現実的ではありません。では、分泌低下をしてしまっているエストロゲンを補充すれば、解決するのかといえばそうでもありません。
卵巣の老化にともなう女性ホルモンの分泌低下に体がバランスを崩すことなく対応していけるように体を対応させていけるようにサポートすることが求められます。そうすることで、更年期障害を軽く済ませることはできると考えられています。
活性酸素が老化を加速させる
私たちは生命維持野ために呼吸をして体の中に酸素を取り入れますが、取り入れた酸素の一部は活性酸素を生み出します。この活性酸素は細胞を酸化させることで、老化や病気を引き起こす要因のひとつとされています。
通常、活性酸素が発生しても、SOD酵素(スーパーオキサイドディスムターゼ)をはじめとする抗酸化力の高い物質により、体内のバランスが保たれることで、問題が生じることがありません。しかし、老化にともない、何かしらの原因で、活性酸素が体内に過剰になってしまい、急速に老化が進んでしまうことが起きてしまうのです。
その時に、体がバランスを上手くとることができずに、さまざまなトラブルが生じてしまいす。つまり、更年期障害が重い症状の時には、体の中が活性酸素が過剰に蓄積してしまっている場合が多いのです。
活性酸素を減らしてあげることで軽減できる
過剰になり過ぎている活性酸素を減らすことで、体内バランスを保つことが重要です。そのため、意識して、体の中に摂り入れたいのが、抗酸化物質です。抗酸化物質を積極的に摂り入れることで、活性酸素とのバランスが保たれて、急激に体が老化にすすむことなく、徐々に体を老化に慣らしていくことができるのです。
抗酸化力の高いものを摂り入れる
抗酸化作用が高い食べ物意識して摂り入れることで、体の中で急速に増える活性酸素を抑えることができます。そのため、更年期障害予防として、いつも以上に意識して、抗酸化作用がある栄養素が豊富に含まれている食べ物を摂り入れることをおすすめします。
ビタミンA
ウナギやレバー、人参、モロヘイヤ、かぼちゃなど
ビタミンC
ブロッコリーやゴーヤ、パプリカ、パセリ、青菜類などの緑黄色野菜やグレープフルーツやキウイ、いちごなどの果物
ビタミンE
アーモンドや赤パプリカ、ツナなど
ポリフェノール類
プルーンやブルーベリー、りんご、バナナ、なす、しょうが、赤ワイン、緑茶、番茶、コーヒーなど
果物に関しては、皮の部分にポリフェノールが豊富に含まれているため、皮ごとまるごと食べることができるようにできるだけ、無農薬・減農薬栽培されたものを選ぶことをおすすめします。
カロテノイド
かぼちゃや人参、ピーマン、ブロッコリー、トマト、グリーンピース、ほうれん草などの色の濃い緑黄色野菜や柿やスイカ、みかんなどの果物
果物は生のまま食べますが、野菜に関しては、カロテノイドは脂溶性であるので、油を使用した調理法で食べることで、体に吸収されやすいです。
ミネラル
わかめや海苔、昆布などの海藻類や桜エビやうるめいわしなどの魚介類、納豆など
熱には強いが水溶性であるので、煮込む場合には汁ごと食べることができるスープにするのがおすすめです。
更年期を快適に乗り切ろう
加齢にともなう女性の悩み事の上位にもあがる更年期障害。しかし、意識して体が対応できるバランスで老化をすすめていくことで、更年期障害を感じずもしくは軽くすませることができるといわれています。上手に抗酸化作用のあるものを活用して、更年期を乗り切ってみてはどうでしょうか。
管理栄養士・マスターファスティングコンシェルジュ
「食べ方」と「出し方」をお伝えするかめごはんの料理教室を主宰。(福岡市)コンビニなどの商品開発業務に従事した経験から、食の大切さに気づく。現在は4歳双子の男の子を育てながら、ストレスフリーにゆるいナチュラル生活の実践の仕方をお伝えしています。