食べ物にはそれぞれ、「栄養」が詰まっています。栄養を摂ることにより、体の機能が向上したり、美肌になったりとよい効果をもたらすことがあります。
そして、さらに栄養の組み合わせによっては、単品で摂った時の何倍もの「相乗効果」を発揮する組み合わせがあります。
前回に引き続き、まだまだある栄養の素晴らしい相乗効果とそれを活かしたレシピを公開したいと思います。
ルチンとビタミンCを一緒に摂ることにより、ビタミンCの吸収は促進され、ビタミンCの栄養効果を高めます。これにより、体を酸化させる活性酸素の働きを抑える抗酸化作用を大きく発揮します。ビタミンCには、肌のターンオーバーを整える働きや、免疫力を高める働きがありますので、ルチンと一緒に摂ることで、その効果をより一層感じることができるでしょう。
また、ルチンは水溶性の栄養素ですので、茹でている間にどんどん水に栄養が溶け出してしまいます。加熱調理するときには電子レンジを活用しましょう。
アスパラガス、そば、なす、トマト、いちじく、ほうれんそう、みかんなど
キウイ、柑橘系の果物、いちご、ピーマン、トマト、じゃがいも、レモンなど
【作り方】
リコピンはβカロテンなどと同じくカロテノイド色素の一つです。そして、カロテノイド色素には抗酸化作用があり、その中でもリコピンはとりわけ抗酸化作用が強いのです。リコピンの持つ抗酸化作用により活性酸素の働きが抑えられ、血管の柔軟性を保ち心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化症を防いでくれます。
そのリコピンは油と一緒に摂ることにより、体に吸収されやすい形に変わります。生で食べるときの、実に4倍吸収率がよくなると言いますから、リコピンを摂るときにはぜひ、油と一緒に摂りたいものです。
トマト、金時人参、スイカ、柿、あんず、パパイヤ、マンゴーなど
植物油(なたね油、ごま油、オリーブ油など)、ベーコン、豚バラ肉など
【作り方】
玉ねぎの辛み成分である硫化アリルと、青魚に含まれる不飽和脂肪酸の一つのEPAはともに血液をサラサラにしてくれる栄養成分です。そんな血液サラサラ成分を合わせて摂ることにより、食物から吸収した酵素や栄養素が体の隅々までいきわたるようになります。血流が改善されることで、老廃物が溜まりにくくなりますから、疲れにくくなり、集中力の向上や寝つきの改善にも役立ちます。
玉ねぎは加熱することで辛味がなくなり甘くなります。これは硫化アリルが加熱により変化するからです。そのため生で食べることをおすすめします。
玉ねぎ、にんにく、ねぎ、ニラ、らっきょうなど
サバ、サンマ、イワシ、アジなど
【作り方】
食品の持つ不思議の一つである「相乗効果」についてお話ししましたがいかがでしたか。
同じ栄養を摂るならその効果を最大限発揮する相乗効果を期待したいですね。
今回の記事を毎日のお料理作りに役立ててもらえると嬉しいです。
管理栄養士
管理栄養士として、病院・保育園で長年勤務している。保育園では献立作成・発注・大量調理・食育を担当。現在は病院にて、栄養指導・栄養管理・献立作成などを担当している。 プライベートでは、5歳と2歳の兄妹の母として家族の健康を守るべく日々奮闘しております。