ルイボスティーは、２５年以上前に日本へ伝わり、「身体にいい赤いお茶」として健康意識の高いスポーツ選手などの一部の人の間で飲まれていました。その後、飲みやすく管理しやすく、そして数多くの効能を持つことから、万人に飲みやすい身体にいい赤いお茶として多くの人に飲まれるようになりました。
「身体にいい」と、なんとなくご存じの方は多いとは思いますが、どのように身体にいいか、詳しく知っている人はなかなか少ないのではないでしょうか。
今回は、ルイボスティーが体の中で発揮する、すばらしい効能について深堀りしてみたいと思います。
まずは、ルイボスティーの原料であるルイボスという植物や、ルイボスティーの生産方法について詳しくみてみましょう。
ルイボスティーの原料となるのは、もちろんルイボスという植物です。
ルイボスはマメ目マメ科の植物で、葉の形は針葉樹様で、もみじと同じように落葉するときには赤褐色に色づく木です。
茎の長さは1～1.5メートルほどですが、根の深さはなんと4～10メートルほどです。長い根で、地中の栄養をしっかりと吸収し蓄えて育っているといえそうです。
ルイボスが育つのは、南アフリカ共和国の西ケープ州ケープタウンの北にあるセダルバーグ山脈のみです。
その他の場所での栽培も試みられましたが、ことごとく失敗に終わっています。
セダルバーク山脈は海抜450メートル以上の高原地帯で、年間を通した雨量は300～700ミリと大変少なく、世界有数の乾燥地です。しかも昼間と夜間の気温差は３０度以上あるという大変過酷な土地です。
こんな厳しい環境下で育つルイボスは、生き抜くための成分を自ら作り出し、蓄える力があります。これがいわゆる抗酸化成分といわれるもので、ルイボスには抗酸化成分が非常に豊富に含まれているのです。
原産地の南アフリカ共和国では、古くからルイボスティーを「不老長寿の飲み物」として、日常的に愛飲していたといわれています。
それではルイボスの葉を収穫し、ルイボスティーになるまでにはどのような工程をふんで作られているのでしょうか。
緑茶やほうじ茶などのお茶は、収穫されたあと、機械を使って急速に乾燥させて生産します。しかし、私たちがよく目にする赤いルイボスティーは、天日でじっくりと乾燥させて生産します。
ルイボスは非常に発酵しやすい植物ですので、少しの傷から発酵が進みます。傷をつけ、じっくり乾燥させている間に発酵が進み、美しい赤いルイボスティーが完成するのです。
ちなみに、ルイボスティーには赤いルイボスティーのほかに、緑のルイボスティーも存在します。緑のルイボスティーは赤いルイボスティーとは違い、未発酵のお茶です。
なんとなく、ルイボスティーは身体にいいとご存じの方は多いとおもいますが、ルイボスティーはどのように身体にいいのでしょうか。その効能を詳しく見ていきましょう。
シミ、しわ、そばかす、アレルギーなど様々な体の不調の原因ともいわれる活性酸素。その活性酸素を作りにくくし、その働きを抑制する力がルイボスティーにはあるといわれています。
先述した通り、厳しい環境下で育つルイボスティーには、フラボノイド型のポリフェノールが多く含まれており非常に強い抗酸化作用をもっています。
さらに、ルイボスティーを飲むことにより、SODが働き活性酸素の働きを抑えてくれると言われています。
活性酸素の働きを抑えることにより、美容や健康に良い影響を与えるのです。
南アフリカ共和国の先住民に「不老長寿のお茶」と呼ばれていたのもうなずけます。
また、ルイボスティーにはルイボスがセダルバーグ山脈の厳しい環境下で育つために、葉に蓄えたビタミンやミネラルが豊富に含まれています。
ビタミンやミネラルは、シミやしわの予防、美白などの美容へのよい効果はもちろんですし、身体の様々な働きを助ける補酵素としての役割も担っています。
ビタミンやミネラルをしっかりと摂ることにより、体の中で代謝が促進され、ダイエットへもよい影響を与えてくれそうです。
ご存じの方も多いと思いますが、ルイボスティーは緑茶やコーヒー、紅茶とは違いノンカフェインです。
カフェインが気になる妊婦さんや、子ども。カフェインを摂るとおしっこが近くなるお年寄り、カフェインを摂ると眠りにくくなる方など、万人に飲みやすい飲み物です。
私たちがよく目にし、口にするルイボスティーが世界中でたった１つの場所でしか栽培できない希少な植物であったとは、驚かれた方も多いのではないでしょうか。
ルイボスティーには強い抗酸化作用をもつポリフェノールと、ビタミン、ミネラルが豊富に含まれていることをお判りいただけましたでしょうか。
厳しい環境下が生んだルイボスティーのスーパーパワーはまさに、自然がくれた人類への贈り物と言えそうですね。
管理栄養士
管理栄養士として、病院・保育園で長年勤務している。保育園では献立作成・発注・大量調理・食育を担当。現在は病院にて、栄養指導・栄養管理・献立作成などを担当している。 プライベートでは、5歳と2歳の兄妹の母として家族の健康を守るべく日々奮闘しております。