さわやかな香りに癒される不老不死の霊薬|レモンバーム

レモンバームは、新鮮なレモンを思わせる香りで、栽培しやすいハーブの一つとして日本でも広く普及しています。
この記事では、レモンバームの効能や歴史、使い方について紹介します。

記事の内容を動画で知りたい方はこちら(YouTube)

レモンバームとは?


レモンバームは、地中海沿岸原産のシソ科多年草の植物で、高さ60cmほどのやぶ状になるハーブ。和名は「セイヨウヤマハッカ」または「コウスイハッカ」といいます。夏に白色または黄色の花を咲かせます。
学名の「メリッサ」はギリシャ語で「ミツバチ」を意味し、ミツバチを引き寄せる植物としても古くから栽培されてきました。

レモンバームの歴史

レモンバームは、古代ギリシャ・ローマ時代からメディカルハーブとして利用されてきました。ワインに漬け込んで利用した記録が残っています。
レモンバームの原産地南ヨーロッパでは、8~9世紀には「長寿のハーブ」と信じられ、ヨーロッパに浸透しました。錬金術師としても有名なルネサンスのスイスの医師「パラケルスス」は、レモンバームが心臓への鎮静作用を持つことから「不老不死の霊薬」と呼んで珍重したと伝えられています。

レモンバームの効能

レモンバームは、ハーブティー以外に、生葉はサラダやお菓子の風味付けに、葉を精油としてアロマテラピーとしてなどさまざまな用途で親しまれています。

精油としての効能

レモンバームには、リナロールやシトラール、ゲラニオール、シトロネラ―ル
などの精油成分が含まれています。レモンバームの葉からの抽出率が大変少ないため、貴重で高価なものとなっています。動揺やパニックで高ぶった感情を鎮めると同時に、落ち込みや脱力感を取り去り、心のバランスを整えるとされています。
主な効能は以下の通りです。

  • うつ
  • 高血圧
  • 神経性の消化不良
  • 生理不順、生理痛
  • 発熱、頭痛
  • 気管支炎
  • 吐き気
  • 抗菌

など

■心にゆとりを持ちたいときに

ディフューザー(芳香拡散器)を使って室内にレモンバーム精油の香りを拡散させます。ティッシュペーパーなどに精油を垂らして吸入法を行ってもよいでしょう。

■脂っぽい頭皮に

無香料シャンプーにレモンバーム精油を入れて頭皮を洗います。レモンのような香りが気持ちを明るくしてくれるでしょう。

【レモンバームを精油として使用する場合の注意点】

  • 高齢者や既往症のある方、敏感な体質の方は、香りに反応しやすいこともあるため、不快感や異変を感じる時は使用を中止しましょう。
  • 妊娠中の使用は避けましょう。
  • 病気を治すものではありません。
レモンバームの食品としての使い方

■ハーブティーとして

レモンバームティーはクセがなく飲みやすい味で、「毎日飲み続ければ長生きする」と言われるほど、健康効果に期待が寄せられています。
レモンの香りが特徴で、酸味はなく、ほんのりとした甘みが楽しめます。
レモンバームは紅茶やほかのハーブとミックスして楽しむのにもぴったりです。特にレモン系やミント系のハーブとの相性は抜群です。

鎮静作用や神経の疲れをとる効果、発汗作用、解熱・解毒効果が期待できるので、風邪のひき始めにお茶として飲むのもよいでしょう。

生葉をハーブティーとして使う場合は、そのつど葉先を摘むようにしましょう。ハーブティーから立ち上がる香りには、アロマテラピーと同じような効果が期待できます。

【フレッシュハーブティーの淹れ方】ポットが2人分の場合

  1. ポットとカップを温めておく。
  2. ポットにフレッシュハーブを入れる。(基準の量はティースプーンで山盛りに2~3杯または指で2~3つまみ)
  3. ポットに 熱湯を注ぎ、ふたをして約2~3分間抽出する。
  4. 茶こしを用いてカップに注ぐ。

1杯目で有効成分の約80%が抽出されるため、2杯目以降は抽出時間を長くして、残りの有効成分と香りを楽しむとよいでしょう。

■料理の香りづけとして

新鮮な葉をちぎってサラダやマリネ、デザートの彩りとして加えると、いつもとひと味違ったおいしさを楽しめます。

■アルコールに漬けてリキュールがわりに

焼酎やワインにつけてリキュール代わりにすることでも、レモンバームの香りを楽しめます。

レモンバームを育てるには?

レモンバームは他のフレッシュハーブと違い、スーパーで売られていないことが多いため、自分で育てるのがよいでしょう。
レモンバームは寒さに強く、高温多湿にも耐える植物です。丈夫なハーブで、種や株分け、こぼれ種でもよく増えます。手軽に栽培を楽しみたい方、初めて挑戦する方におすすめのハーブです。種まきは春と秋にまき、開花は2年目の初夏になります。発芽する力が強く、地面に直まきしてもよく育ちます。

【レモンバームの育て方】

  1. 葉が大きく、色のよい苗を選ぶ。
  2. 5号以上の容器に植えつける。レモンバームは乾燥に弱いため、プラ鉢がおすすめ。乾燥に弱く、土が乾くと枯れてしまうので、適度な水やりをしっかりと行う。直射日光に当てすぎると山椒のような香りになってしまうため半日蔭がベスト。
  3. 鉢の底から流れ出るぐらいにたっぷり水をやり、2~3日の間、日陰に置いておく。
  4. 葉が茂ってきたら、若い葉から摘んで利用する。
  5. 葉が混み合ってくると蒸れてしまうので、収穫を兼ねて適度に枝葉を整理する。

6~7月には白くかわいい花が咲きます。花の咲きはじめごろが最も香りが良くなります。

(まとめ)さわやかな香りに癒されるレモンバームを日常生活に

レモンバームの効能や歴史、使い方、育て方について紹介しました。レモンバームはガーデニング初心者の方でも育てやすいハーブの一つです。手塩にかけて育てたレモンバームをハーブティーや料理に利用するときは何にも変えがたいうれしさを感じるでしょう。
この記事が、これからレモンバームを取り入れてみたい方の参考になれば幸いです。

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