最近では、スーパーの野菜売り場でフレッシュハーブを見かけることが多くなりました。フレッシュハーブは、鮮やかな色と爽やかな香りで料理に華やかさと風味を添えてくれる魔法の食材です。
この記事では、フレッシュハーブの種類や特徴、おすすめの使い方をシリーズでご紹介します。フレッシュハーブを使って、料理のレパートリーを広げましょう!
ハーブはラテン語の「ヘルバ(herba)」に由来する言葉で「草」を意味します。ハーブの歴史は古く、約1万年前に栽培された記録があることから、古代から使用されてきました。紀元前3000年の古代バビロニアの粘度板には、熱病などの病気に対処するためにハーブを利用していた記録が残されています。
今では、食用や飲用、薬用、美容、園芸、装飾など生活のありとあらゆる場面で幅広く利用されています。
フレッシュハーブは生のハーブのことを言います。日本では、イタリア料理やエスニック料理などが広まったことから、フレッシュハーブが身近なものになりました。
フレッシュハーブの中には、家庭菜園で栽培できるものもあります。料理に添えて味わいにアクセントをつけたり、刻んでソースにしたりと活用方法はさまざまです。
今回は、トマト料理などイタリア料理に欠かせないフレッシュハーブ「スイートバジル」について紹介します。
スイートバジルは、イタリアの料理に欠かせないハーブの一つ。イタリアでは「バジリコ」とも呼ばれており、古代ギリシャ語で「王」を意味する「バジレウス」が語源とされています。古代ギリシャでは「王様の薬草」と呼ばれ、古くから用いられてきました。
日本へは江戸時代に種子が目薬用の漢方薬として輸入されました。種子を水に浸すと膨張し、ゼリー状の物質になったもので目を洗うことから、和名は「メボウキ」と呼ばれています。
スイートバジルはシソ科の一年草の植物で、原産地はインドや熱帯アジアです。種子や葉、花を使用します。
種子はバジルシードと呼ばれ、一見すると黒ごまのようですが、水に浸すとゼリー状になり、約30倍もの大きさに膨らみます。東南アジアではココナッツミルクと合わせたデザートなどに使われています。
葉の部分は料理に使われ、イタリア料理や地中海料理のほか、タイ料理、ベトナム料理にも欠かせない存在です。特にトマトとの相性が良く、サラダやスープ、トマトソースのパスタ、ピザなどに使用されます。
乾燥バジルはスパイスとして販売されており、ケチャップに混ぜれば、本格的なピザソースやチキンライスを手軽に味わうことができます。
バジルには抗酸化作用が高い「β-カロテン」が豊富に含まれています。バジルのすっきりとしたフレッシュな香りのもとは「リナロール」などの精油成分です。集中力アップやリラックス作用、殺菌、消化促進などの効果が期待できます。
葉は緑色が濃く、張りがあるもの、茎がしっかりしているものを選びましょう。水にさしておけば1~2日は鮮度が保てます。葉は密閉容器に入れれば冷凍保存することもできます。
スイートバジルを使った代表的なトマト料理「カプレーゼ」を紹介します。カプレーゼは「カプリ島の」を意味します。
イタリア国旗の色(赤・白・緑)と、トマトの赤、モッツァレラチーズの白、スイートバジルの緑の組み合わせが同じであることから、イタリアを象徴するサラダとして有名です。夏が旬のトマトにぴったりのサラダでトマトのリコピンやβカロテンは、オリーブオイルと一緒に摂ることで吸収率がさらにアップしますので、ぜひ作ってみてください!
【カプレーゼの材料:2人分】
【カプレーゼの作り方】
使い切れないスイートバジルは、ジェノベーゼソースを作って冷凍保存するとよいでしょう。ジェノベーゼソースは、イタリアのジェノバで伝統的に作られているソース。作り置きしておけば、さまざまな料理に利用できます。
ここでは、フードプロセッサーを使わずにできるジェノベーゼソースの作り方を紹介します。
【ジェノベーゼソースの材料:作りやすい分量】
【ジェノベーゼソースの作り方】
※スイートバジルを細かく刻むときは、まな板の上にクッキングシートを敷くと、後片付けがラクです。作ったジェノベーゼソースは、ラップに包んで冷凍庫で約1カ月保存できます。ジェノベーゼソースは、パスタやピザ、茹でたじゃが芋に合いますよ。
フレッシュハーブについて、その中でもイタリアの料理に欠かせないハーブの一つ「スイートバジル」について紹介しました。爽やかな香りのするスイートバジルを料理に活用して暑い夏を乗り切りましょう!
管理栄養士・健康運動指導士・ライターとして活動。 特定保健指導では生活習慣病予防を、介護予防事業では高齢者のフレイル予防と、 食事と運動の両面から健康づくりのお手伝いをしています。