フレイル予防にはタンパク質!おいしく楽しく食べられるレシピを紹介

歳を重ねるにつれて「以前より食が細くなった」「足が細くなってきた」「ペットボトルの蓋が開けにくい」このような体の変化を感じる方は、フレイル予備軍かもしれません。健康的に過ごすためには、体の変化に早く気づくことが大切です。

今回は、フレイルとはどういう状態をいうのか?フレイル予防ができるレシピを3つご紹介します。

フレイルってなに?


フレイルとは、年齢とともに体力や気力が弱まり、心身の活力(筋力や認知機能など)が低下した状態を意味します。「Frailty」の日本語訳として「虚弱」に代わり、2014年に日本老年医学会によって提唱された概念です。健康な状態と要介護状態の中間に位置するもので、放っておくと要介護状態になるリスクが高まるといわれています。
超高齢化社会が進む日本では、2025年には75歳以上の後期高齢者が2000万人を超えるとされ、フレイル対策の重要度が高まっています。

フレイルの評価基準

加齢に伴う症状には個人差が大きく、フレイルに該当する人の早期発見はなかなか難しいのが現状。以下の評価基準で当てはまるものがないか?チェックしてみましょう。

  • ■体重減少…意図しないのに、6カ月で2~3kgの体重減少がある
  • ■筋力低下…握力が男性だと28kg未満、女性だと18kg未満(例:ペットボトルなどの蓋が開けにくい)
  • ■疲労感…ここ2週間わけもなく疲れたような感じがする
  • ■歩行速度…通常の歩行速度が1.0m/秒未満(例:以前に比べて歩く速度が遅くなった、横断歩道が青信号で渡り切れない)
  • ■身体活動…定期的な運動、軽い体操を週1回以上していない

上記の項目で、3つ以上当てはまる方は「フレイル」、1~2つだと「フレイル予備軍」に該当します。

※参考URL:けんこう兵庫21県民運動ポータルサイト

フレイルを避けるためには、意識的にタンパク質摂取や適度な運動など、早い段階から対策をしておくことが大切です。

フレイル予防にはタンパク質!1日の必要量は?

タンパク質は、筋肉や内臓、皮膚、爪、髪の毛など、体の大部分がタンパク質でできています。その中でも筋肉は水分以外の約80%がタンパク質でできているため、筋肉量を減らさないためにも毎日欠かさず摂る必要があります。

一般的な成人の1日あたりのタンパク質摂取量の目安は体重1kg当たり1g程度。体重50kgの人なら、1日50gのタンパク質摂取が目安です。

65歳以上になると、体重1kgあたり1.2g程度のタンパク質が必要になります。体重50kgの人なら1日60gのタンパク質摂取が目安です。健康状態や持病の有無によっても変わりますが、年齢を重ねると栄養の吸収効率が落ちるため、多めのタンパク質摂取を心がける必要があります。

タンパク質を多く含む食品と1日の目安量は?

タンパク質は、肉類や魚類、卵、大豆・大豆製品、牛乳・乳製品に多く含まれています。これらの食品をほぼ毎日摂ることで、タンパク質以外の栄養素も補うことができます。 不足しないよう、意識して毎食ごとにタンパク質を多く含む食品を摂るようにしましょう。

【1日に摂りたい目安量】

  • 肉…60g以上(手のひらサイズで手の厚みくらい)
  • 魚…80g(切り身の魚1切れ分)
  • 卵…1個
  • 豆腐…150g(1/3丁、納豆なら1パック)
  • 牛乳…200ml(コップ1杯)

主食のご飯やパン、めん類にもわずかですが、タンパク質が含まれています。主食・主菜・副菜がそろうメニューはフレイル予防だけでなく、骨を丈夫にしたり、血管をしなやかに保つ、体調不良や病気に負けない体作りにもなります。

おいしく楽しく食べられる!フレイル予防のレシピを3つ紹介

焼き鳥丼

焼き鳥缶と卵でタンパク質をしっかり摂れるレシピです。焼き鳥の缶詰を使えば、缶詰の汁で味つけができて時短に。玉ねぎを薄く切っておけば、火が通りやすくなりますよ。

【材料:1人分】エネルギー量:442kcal、タンパク質:23.1g

焼き鳥缶…1缶
玉ねぎ…50g(1/4個)
卵…1個
三つ葉…あれば
だし汁…大さじ2
ご飯…150g

【作り方】

  • ① 玉ねぎは薄切り、三つ葉は4cm長さに切る。
  • ② 耐熱皿に焼き鳥缶は汁ごと、玉ねぎ、だし汁を入れて、ラップをかけて500Wで2分加熱する。
  • ③ ②に溶き卵を入れて、さらに1分~1分20秒加熱する。
  • ④ どんぶりにごはんを盛り、③をかけたら出来上がり。

厚揚げのあんかけ

焼き厚揚げにあんかけをプラスすれば、パサパサ感がなくなり食べやすくなります。

【材料:2人分】エネルギー量:215kcal、タンパク質:19.8g

絹厚揚げ…2個
にんじん…30g(1/6本)
えのき茸…30g(1/4束)
むきえび…8尾
スナップえんどう(またはきぬさや)…2本

だし汁…200ml
こいくちしょうゆ…大さじ½
みりん…大さじ½
(水溶き片栗粉)
片栗粉…小さじ2
水…小さじ2

【作り方】

  • ①にんじんは5cmの細切りにする。えのき茸は石づきを取り、ほぐして半分に切る。
    スナップえんどうは筋を取ってさっと茹でる。
  • ②むきえびは塩水で洗って背ワタをとって茹でておく。
  • ③鍋にだし汁200mlと①の野菜を入れて、柔らかくなるまで弱めの中火で加熱する。しょうゆとみりんを加えて1分ほど煮る。さらに水溶き片栗粉を加えてかき混ぜ、再び沸騰させてとろみをつける。
  • ④フライパンを熱し、絹厚揚げを温める。
  • ⑤器に④を盛り③をかけてえびとスナップえんどうを添える。

豆腐入り白玉

食が細くて一度にたくさん食べられない方は、おやつでタンパク質を補いましょう。白玉粉に豆腐を加えると、しっとりとした食感の団子ができ、食べやすくなります。

【材料:4人分】エネルギー量:143kcal、タンパク質:4.0g

白玉粉…80g
絹ごし豆腐…100g
水…適量

つぶあん…100g

【作り方】

  • ①ボールに白玉粉を入れ、絹ごし豆腐をつぶしながら、加えて全体をよく練る。耳たぶぐらいの硬さになるよう、水を加えて硬さを調整する。
  • ②①を一口サイズに丸め、少し真ん中をへこませる。
  • ③鍋に湯を沸かし、②を茹でる。浮いてから1分茹でたのち、冷水にとって冷ます。
  • ④水気を切った③を器に盛り、つぶあんを添える。

65歳からはタンパク質をしっかり摂ってフレイル予防を

フレイルの評価基準と、フレイル予防ができるレシピを3つご紹介しました。フレイルを予防するためには、タンパク質をしっかり摂るとともに、欠食することなく1日3食をしっかり食べたり、体を動かす機会を増やしたりすることも大切です。

フレイル予防は早いうちからの「気づき」が大切。「あれ?そういえば…」と感じることがあれば、今できることから始めて、いつまでもアクティブに過ごせる健康な体を手に入れましょう!

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